NPO法人 ここずっと since 2011

『ここdeシネマ』ついて

コミュニティ・シアターとしての〈ここdeシネマ〉開催活動

~いい映画をこのまちで このまちのひとと~

私どもは、2015年度より<ここdeシネマ>という連続上映会開催活動を開始しています。 そして、まちづくりの視点で展開される「バリアフリー上映」を実現してまいりました。

原則、バリアフリー上映を掲げたことは、障がい当事者だけでなく地域高齢者に映画鑑賞の機会を通じて、貴重な情報保証の役割を実現して「コミュニティ・シアター」の意義を果たしてきたと自負するものです。

ともに生きるまちの人たちへの情報保障として

日本は2007年9月に障害者権利条約に署名、批准に向けての国内整備として、2017年度よりすべての公共放送の100%字幕付与、10%に音声ガイド付与が義務付けられました。また、2013年6月障害者差別解消法が成立、2016年4月施行と、市民社会のバリアフリー化が求められているなか、現況におけるメディア・バリアフリーのための字幕・音声ガイドについては社会的認知が進んでいず、制作者は圧倒的に不足。バリアフリーという社会変革の担い手となる制作者の養成は社会的に喫緊の課題となっています。

また、バリアフリー映像鑑賞の動きを通して、地域におけるバリアフリーの新しい認知が拓かれ、それが、市民社会のあたらしいあり方・文化を提示するしていくことを期待しております。

ここdeシネマ開催活動のなかで得たスキル

  1. 音声ガイドづくり(録音作業、映像への付与編集)
  2. 字幕制作スキルを獲得(映像への付与編集)
  3. 音声コードのフライヤーへの使用
  4. UDトークの活用(オペレーター養成への貢献)

主に上記4点のスキルを得て、市民活動へのスキル提供、共有化を求めていこうと考えています。
具体的には、UDトークの活用スキルを2020年11月29日の「津久井やまゆり園事件を考え続ける会」主催のシンポジウムにおいて提供。講演内容の文字化に貢献しました。(写真参照)

さらに一歩 ユニバーサル上映を目指して

当初。視覚障がいの方のための音声ガイド、聴覚障がいの方のための字幕を上映作品に付与する形で始めた「バリアフリー」のスキルは、ともに生きるこのまちの人々の多様なあり方について、想像力を与えてくれました。Uni-Voiceを使ったフライヤー、手話通訳とともにあるUDトークによるテキスト表示だけでなく、足元を安全にする段差の解消、蓄光テープなどなど。

音楽をともに体験していただく仕掛けは? パントマイムを視覚障がいの方にも面白がってもらうには?  障がいも様々で、ひとくくりにできるものではありません。そんな体験をかさねるうちに、〇〇のためのバリアフリーではなく、もっと共感し、もっとともにあるための「ユニバーサル・デザイン」でありたいと願うようになりました。 足りないものを補うための「バリアフリー」ではなく、新しい表現や体験を生み出す「ユニバーサル」でありたい。そんな思いをもって〈ここdeシネマ〉開催事業に取り組んでいきたいと考えています。

上映予定作品「戦車闘争」2022年3月5日 於:相模原南市民ホール

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ベトナム戦争終盤を迎えていた1972年、アメリカ軍は破損した戦車を神奈川県相模原市の相模総合補給廠で修理し、再び戦地に送るべく横浜ノースドックへ輸送していた。それを知って憤った市民がノースドック手前で座り込みを敢行、戦車の輸送は断念された。この事件をきっかけに相模総合補給廠の前にはテントが立ち並び、およそ100日間におよぶ抗議活動がはじまる。映画『戦車闘争』は、座り込みに参加していた者から彼らを排除する側までのあらゆる当事者や専門家など総勢54人の証言によって、日本現代史上希に見る政治闘争の顛末を明らかにする白熱のドキュメンタリー映画。

映画『戦車闘争』の中に登場する54人のひとびとは、わたしたちの隣人も多く、その分、身近に受け止められるし、一線を退かれた方から若い方まで、年齢もそれこそ立場も違っている言葉は、多様な視点をもたらしてくれるようです。

「戦車闘争」どころか「ベトナム戦争」を知らないひとも多くなってきています。現在を生きるのに、歴史を知っておくことはとても大切だ、ということをことさらに言うまでもなく、「戦車闘争」は、このまちで実際に起きたことでした。このまちに暮らしている市民もまじってこんなことが起きた、と記憶をたどり直すと、確かに、自分の暮らしているまちの姿も少し変わって見えてくるし、わたしたち自身の暮らし方も少し変わったりすることもあるのではないでしょうか? 「まち」とは、そこにひそむ記憶と人間関係から醸し出される「今日」のことであり、「明日」のことだと考えるからです。

上映日時: 2022年3月5日

昼の部:PM2:30~(PM2:00~絵本「戦車は止まった」朗読)
夜の部:PM6:30~(PM6:00~絵本「戦車は止まった」朗読)

於 相模原南市民ホール
相模原市南区相模大野5-31-1 合同庁舎内 相模大野駅下車徒歩15分
入場料 1000円

ここdeシネマの記録

これまでの記録をPDFファイルで公開しています。

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過去の上映作品

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「ある精肉店の話」フライヤー画像 「沖縄うりずんの雨」フライヤー画像 「アラヤシキの住人たち」フライヤー画像